近未来のサッカー日本代表に推したい精鋭たち
現在はサッカー日本代表の大半を欧州組が占めており、欧州クラブでプレーする選手たちの経歴は十人十色だ。Jリーグで実績を残して海を渡る選手もいれば、高校から直接移籍する選手や、海外で生まれ育った選手もいる。今回は、海外でプレーする10代の選手をピックアップし、これまでの経歴や現状を紹介する。
MF:ルシアン・リトバルスキー 183cm

生年月日:2003年5月8日(19歳)
所属クラブ:グロイター・フュルト(ドイツ2部)
経歴:ヴォルフスブルク
「リトバルスキー」という名前を聞いてピンときた人も多いだろう。ルシアン・リトバルスキーの父は元西ドイツ代表でJリーグでもプレーしたピエール・リトバルスキーである。ピエールが横浜FCの監督を務めていた2003年に日本人女性との間に生まれたルシアンは、ピエールがコーチやスカウトなどを歴任したヴォルフスブルクの下部組織に在籍していた。
主にヴォルフスブルクのU-19チームでプレーした昨季はU-19ブンデスリーガで13試合、UEFAユースリーグで4試合に出場していた。そして、シーズン終了後にはブンデスリーガ2部に降格したグロイター・フュルトとプロ契約を締結。契約は2025年夏までの3年間となっている。
現時点では年代別のドイツ代表や日本代表に招集されたことはない。ヴォルフスブルクでは父がそうだったようにウイングなど攻撃的なポジションでプレーすることが多かったが、フュルトでは少しポジションを下げた中盤が主戦場となっている。22/23シーズンは7月のDFBポカール(ドイツ杯)でベンチ入りしたものの、トップチームでの出場機会はないが、4部(相当)で戦うセカンドチームの主力としてプレーしている。
DF:髙橋仁胡 173cm
生年月日:2005年8月17日(17歳)
所属クラブ:バルセロナ・フベニールA
経歴:クルナリャー
スペインで育ち、アルゼンチン人の父と日本人の母を持つ髙橋仁胡は、日本代表のユニフォームを着ることを選んでいる。昨年5月にU-19日本代表としてモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に参戦し、初めて日の丸を背負った。その後はコンスタントに同代表の活動に参加し、現在行われているAFC U-20アジアカップにはU-20日本代表唯一の海外組として参加している。
スペイン育ちの髙橋は、バルセロナの下部組織でプレーしている。左サイドバックが本職で、精度の高いキックをはじめとする高い技術が特徴だ。トップチームのベテランDFジョルディ・アルバをお手本としており、物おじしない積極的なプレーも魅力だ。
トップチームでは19歳のアレックス・バルデがジョルディ・アルバに代わってファーストチョイスとなっている。髙橋が所属するフベニールは、アトレチックに次ぐサードチームだが、トップチームはそう遠くないところにあるはずだ。
MF:中井卓大 185cm
生年月日:2003年10月24日(19歳)
所属クラブ:レアル・マドリード・カスティージャ
経歴:AZUL
9歳のときにレアル・マドリードのテストを受けてカンテラ(下部組織)入りの権利を勝ち取った中井卓大は、トップチームにあと1歩のところまでたどり着いた。昨季はフベニールA(U-19)でユース国王杯優勝に貢献し、昨年2月には2025年までの契約を新たに結んでいる。今季はセカンドチームにあたるカスティージャ(3部)でプレー。ラウール・ゴンザレス監督の下で経験を積んでいる。
しかし、世界最高峰のクラブでプレーする権利を勝ち取るのは簡単ではない。カスティージャの中盤にはトップチームで通算13試合に出場しているセルヒオ・アリバスや、主将のカルロス・カピタンといったタレントがひしめく。中井はカスティージャでプレータイムを獲得できず、ここまでリーグ戦では途中出場の2試合の出場に留まる。
昨年はU-19日本代表でもプレーし、今年6月のFIFAU-20 ワールドカップ、来年のパリ五輪、そして2026年のFIFAワールドカップ出場も射程圏内にある。19歳となった中井は成長のために何らかの決断を下すときが近づいているのかもしれない。
GK:長田澪(ミオ・バックハウス) 194cm

生年月日:2004年4月16日(18歳)
所属クラブ:ブレーメンU-19
経歴:有馬フレンズFC→川崎フロンターレ→アレマニア・アーヘン
オリバー・カーン、マヌエル・ノイアーら世界最高のGKを輩出してきたGK大国ドイツで、日本をルーツに持つ男が研鑽を積んでいる。ヴェルダー・ブレーメンU-19でプレーする長田澪は、昨季トップチームのベンチ入りを果たした有望株で、今季はU-19の正GKとしてプレーしている。
川崎フロンターレU-12に在籍していた2015年には世界大会のダノンネーションズカップにも出場した経験がある。2018年にはU-15日本代表に選出されたこともあるが、昨年はU-19ドイツ代表でプレー。日本サッカー協会(JFA)も接触を図っているという。
昨年11月のザンクトパウリU-19戦では正確な右足のロングフィードでアシストを記録している。190cmの長身を活かしたセービング技術と若さを感じさせない落ち着いたプレーが持ち味。ぜひとも日本代表を選んでほしいところだが、本人はどのようなキャリアを選ぶのだろうか。
DF:前田ハドー慈英 178cm
生年月日:2004年4月2日(18歳)
所属クラブ:ブラックバーン・ローヴァーズU-21
経歴:傑志→ブラックバーン・ローヴァーズ
イギリス人の父と日本人の母を持つ前田ハドー慈英は、昨年5月に開催されたモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に出場するU-19日本代表に選出され、初めて日本代表のユニフォームに袖を通した。香港で幼少期を過ごし、国内の強豪・傑志のアカデミー出身の前田は12歳でイギリスに渡った。
ブラックバーン・ローヴァーズのアカデミーに在籍し、昨年7月にはプロ契約を結んだことが発表されている。今季はU-21チームで出場機会を得ており、プレミアリーグ2(U-21)では10試合に出場してアシストも記録。積極的な攻め上がりを得意とするプレースタイルで、サイドバックを主戦場としている。
前田がプレーするブラックバーンU-21は同クラブのセカンドチームで、チャンピオンシップ(2部)で4位につけるトップチームはプレミアリーグ昇格の可能性を残している。トップチーム出場はまだないが、プレミアリーグデビューは決して遠い目標ではないだろう。
FW:福田師王 178cm
生年月日:2004年4月8日(18歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハU-19
経歴:高山FC→神村学園中→神村学園高
2022年度の高校サッカー界ナンバーワンストライカーと称された福田師王は、高校サッカーから海外へと活躍の舞台を移した。昨年12月から行われた全国高校サッカー選手権では神村学園のエースとして3得点を決めてチームをベスト4へ導き、ドイツの強豪ボルシア・メンヒェングラートバッハに加入した。
ドイツでの“デビュー”は鮮烈だった。U-19年代の地域のカップ戦(ニーダーライン・ポカール)1回戦にU-19チームの一員として出場すると、実力差がある対戦とはいえいきなり8得点を挙げてしまった。先月19日にはリーグ戦(U-19ブンデスリーガ・ウェスト)でもデビューを果たし、ヘディングでリーグ戦初得点を記録。4日にはドルトムントU-19戦でアシストをマークしている。
178cmという身体はドイツでは決して大きくないが、どこからでもゴールを奪えるシュートセンスを持つ。マークを外す巧みな動き出しや裏に抜けるランニングなどの質も高い。まずはU-19チームで結果を残せば、セカンドチーム(4部相当)、トップチーム昇格への道も見えてくるだろう。
DF:チェイス・アンリ 187cm

生年月日:2004年3月24日(18歳)
所属クラブ:シュツットガルトU-21
経歴:FC湘南ジュニアユース→尚志高
アメリカ合衆国出身の父と日本人の母を持つチェイス・アンリは188cmという恵まれた体格を持つセンターバックだ。日本に帰国した中学1年生のときにサッカーを本格的に始め、メキメキと頭角を現していった。尚志高校では1年次から全国高校サッカー選手権に出場し、年代別の日本代表にも選ばれるようになった。
粗削りな部分もあるが、フィード能力や対人守備といったスキルは急こう配な成長曲線を描く。昨年は飛び級でパリ五輪世代のU-21日本代表にも選出され、U-23ドバイカップやU-23アジアカップも経験。昨年の国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が選出した2022年のU-20アジアベストイレブンに選出されている。
昨年3月の高校卒業とともに日本を離れ、シュツットガルトU-21に加入。今季は怪我もあったが、ワールドカップによる中断期間にはトップチームのトレーニングキャンプにも参加していた。AFC U-20アジアカップに臨むU-20日本代表からは外れたが、FIFA U-20ワールドカップ出場への期待は大きい。
MF:小橋エンスリン海 182cm
生年月日:2005年10月22日(17歳)
所属クラブ:チャールトン・アスレチック
ジョー・ゴメスやエズリ・コンサを輩出したチャールトン・アスレチックのアカデミーに、日本にルーツを持つ選手がいる。17歳の小橋エンスリン海はロンドンで育成に定評があるチャールトンのU-18チームに在籍している。
左サイドバックやウイングなどでプレーできるレフティーで、182cmと上背もある。サイドを上下動する豊富な運動量を武器としており、正確な左足のキックでチャンスを演出する。今季からは本格的にU-18チームでプレーしており、昨年10月のスウォンジー戦ではハットトリックを達成している。
代表チームに関しては日本やイングランドなど様々な選択肢を持っているが、現時点で年代別の日本代表に選出されたことはない。2005年生まれということもあり、2028年のロサンゼルス五輪に出場できる年代で、日本代表のユニフォームに袖を通す日は遠くないかもしれない。
MF:福井太智 172cm
生年月日:2004年7月15日(18歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘンⅡ
経歴:久里浜FC→サガン鳥栖
Jリーグでほとんど実績のない若手が海を渡るケースは珍しくないが、世界的な強豪バイエルン・ミュンヘンに加入できるチャンスはそうそうない。現地報道によると、福井大智は昨年8月にバイエルン・ミュンヘンⅡ(セカンドチーム)のトライアルに参加し、同年9月には今年1月から完全移籍で加入することが発表されていた。年代別代表の常連で、育成で結果を残し続けるサガン鳥栖のアカデミーで約10年間を過ごした。2021シーズンには2種登録選手として公式戦11試合に出場。昨年はトップチームに参加する傍ら、高円宮杯U-18プレミアリーグ優勝に鳥栖U-18を導いた。推進力のあるドリブル、判断力の高さを感じさせるラストパスなど、攻撃面に特長を持つMFで、ボランチなど守備的なタスクもこなせるオールラウンダーだ。新天地では2試合連続でゴールに絡み、そのポテンシャルの高さをアピールしている。
FW:二田理央 174cm
生年月日:2003年4月10日(19歳)
所属クラブ:ザンクト・ペルテン
経歴:佐伯リベロFC→FC佐伯S-playMINAMI→サガン鳥栖→ヴァッカー・インスブルック
サガン鳥栖が輩出した若きストライカーは、オーストリアで一歩ずつ実績を積み上げている。2021年6月にトップチームデビューを果たし、その約1か月後に期限付き移籍が発表された。二田理央が加入したのはオーストリア2部のヴァッカー・インスブルックで、二田は3部に所属するU-23チームでプレーすることとなった。
最初のシーズンは3部リーグで16戦17発と結果を残し、後半戦はトップチームでリーグ戦5試合に出場して2部リーグ初得点も記録した。今季は2部のザンクト・ペルテンへ期限付き移籍したが、トップチームでは4試合の出場に留まり、ゴールはない。
昨年はU-19日本代表にも選出されたが、3月のAFC U-20アジアカップのメンバーからは外れた。圧倒的なスピードと精度の高いシュートが武器のストライカーは、U-20日本代表やパリ五輪世代のエース候補でもあるだけに、その期待は大きい。
近未来のサッカー日本代表に推したい精鋭たち
現在はサッカー日本代表の大半を欧州組が占めており、欧州クラブでプレーする選手たちの経歴は十人十色だ。Jリーグで実績を残して海を渡る選手もいれば、高校から直接移籍する選手や、海外で生まれ育った選手もいる。今回は、海外でプレーする10代の選手をピックアップし、これまでの経歴や現状を紹介する。
MF:ルシアン・リトバルスキー 183cm

生年月日:2003年5月8日(19歳)
所属クラブ:グロイター・フュルト(ドイツ2部)
経歴:ヴォルフスブルク
「リトバルスキー」という名前を聞いてピンときた人も多いだろう。ルシアン・リトバルスキーの父は元西ドイツ代表でJリーグでもプレーしたピエール・リトバルスキーである。ピエールが横浜FCの監督を務めていた2003年に日本人女性との間に生まれたルシアンは、ピエールがコーチやスカウトなどを歴任したヴォルフスブルクの下部組織に在籍していた。
主にヴォルフスブルクのU-19チームでプレーした昨季はU-19ブンデスリーガで13試合、UEFAユースリーグで4試合に出場していた。そして、シーズン終了後にはブンデスリーガ2部に降格したグロイター・フュルトとプロ契約を締結。契約は2025年夏までの3年間となっている。
現時点では年代別のドイツ代表や日本代表に招集されたことはない。ヴォルフスブルクでは父がそうだったようにウイングなど攻撃的なポジションでプレーすることが多かったが、フュルトでは少しポジションを下げた中盤が主戦場となっている。22/23シーズンは7月のDFBポカール(ドイツ杯)でベンチ入りしたものの、トップチームでの出場機会はないが、4部(相当)で戦うセカンドチームの主力としてプレーしている。
DF:髙橋仁胡 173cm
生年月日:2005年8月17日(17歳)
所属クラブ:バルセロナ・フベニールA
経歴:クルナリャー
スペインで育ち、アルゼンチン人の父と日本人の母を持つ髙橋仁胡は、日本代表のユニフォームを着ることを選んでいる。昨年5月にU-19日本代表としてモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に参戦し、初めて日の丸を背負った。その後はコンスタントに同代表の活動に参加し、現在行われているAFC U-20アジアカップにはU-20日本代表唯一の海外組として参加している。
スペイン育ちの髙橋は、バルセロナの下部組織でプレーしている。左サイドバックが本職で、精度の高いキックをはじめとする高い技術が特徴だ。トップチームのベテランDFジョルディ・アルバをお手本としており、物おじしない積極的なプレーも魅力だ。
トップチームでは19歳のアレックス・バルデがジョルディ・アルバに代わってファーストチョイスとなっている。髙橋が所属するフベニールは、アトレチックに次ぐサードチームだが、トップチームはそう遠くないところにあるはずだ。
MF:中井卓大 185cm
生年月日:2003年10月24日(19歳)
所属クラブ:レアル・マドリード・カスティージャ
経歴:AZUL
9歳のときにレアル・マドリードのテストを受けてカンテラ(下部組織)入りの権利を勝ち取った中井卓大は、トップチームにあと1歩のところまでたどり着いた。昨季はフベニールA(U-19)でユース国王杯優勝に貢献し、昨年2月には2025年までの契約を新たに結んでいる。今季はセカンドチームにあたるカスティージャ(3部)でプレー。ラウール・ゴンザレス監督の下で経験を積んでいる。
しかし、世界最高峰のクラブでプレーする権利を勝ち取るのは簡単ではない。カスティージャの中盤にはトップチームで通算13試合に出場しているセルヒオ・アリバスや、主将のカルロス・カピタンといったタレントがひしめく。中井はカスティージャでプレータイムを獲得できず、ここまでリーグ戦では途中出場の2試合の出場に留まる。
昨年はU-19日本代表でもプレーし、今年6月のFIFAU-20 ワールドカップ、来年のパリ五輪、そして2026年のFIFAワールドカップ出場も射程圏内にある。19歳となった中井は成長のために何らかの決断を下すときが近づいているのかもしれない。
GK:長田澪(ミオ・バックハウス) 194cm

生年月日:2004年4月16日(18歳)
所属クラブ:ブレーメンU-19
経歴:有馬フレンズFC→川崎フロンターレ→アレマニア・アーヘン
オリバー・カーン、マヌエル・ノイアーら世界最高のGKを輩出してきたGK大国ドイツで、日本をルーツに持つ男が研鑽を積んでいる。ヴェルダー・ブレーメンU-19でプレーする長田澪は、昨季トップチームのベンチ入りを果たした有望株で、今季はU-19の正GKとしてプレーしている。
川崎フロンターレU-12に在籍していた2015年には世界大会のダノンネーションズカップにも出場した経験がある。2018年にはU-15日本代表に選出されたこともあるが、昨年はU-19ドイツ代表でプレー。日本サッカー協会(JFA)も接触を図っているという。
昨年11月のザンクトパウリU-19戦では正確な右足のロングフィードでアシストを記録している。190cmの長身を活かしたセービング技術と若さを感じさせない落ち着いたプレーが持ち味。ぜひとも日本代表を選んでほしいところだが、本人はどのようなキャリアを選ぶのだろうか。
DF:前田ハドー慈英 178cm
生年月日:2004年4月2日(18歳)
所属クラブ:ブラックバーン・ローヴァーズU-21
経歴:傑志→ブラックバーン・ローヴァーズ
イギリス人の父と日本人の母を持つ前田ハドー慈英は、昨年5月に開催されたモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)に出場するU-19日本代表に選出され、初めて日本代表のユニフォームに袖を通した。香港で幼少期を過ごし、国内の強豪・傑志のアカデミー出身の前田は12歳でイギリスに渡った。
ブラックバーン・ローヴァーズのアカデミーに在籍し、昨年7月にはプロ契約を結んだことが発表されている。今季はU-21チームで出場機会を得ており、プレミアリーグ2(U-21)では10試合に出場してアシストも記録。積極的な攻め上がりを得意とするプレースタイルで、サイドバックを主戦場としている。
前田がプレーするブラックバーンU-21は同クラブのセカンドチームで、チャンピオンシップ(2部)で4位につけるトップチームはプレミアリーグ昇格の可能性を残している。トップチーム出場はまだないが、プレミアリーグデビューは決して遠い目標ではないだろう。
FW:福田師王 178cm
生年月日:2004年4月8日(18歳)
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハU-19
経歴:高山FC→神村学園中→神村学園高
2022年度の高校サッカー界ナンバーワンストライカーと称された福田師王は、高校サッカーから海外へと活躍の舞台を移した。昨年12月から行われた全国高校サッカー選手権では神村学園のエースとして3得点を決めてチームをベスト4へ導き、ドイツの強豪ボルシア・メンヒェングラートバッハに加入した。
ドイツでの“デビュー”は鮮烈だった。U-19年代の地域のカップ戦(ニーダーライン・ポカール)1回戦にU-19チームの一員として出場すると、実力差がある対戦とはいえいきなり8得点を挙げてしまった。先月19日にはリーグ戦(U-19ブンデスリーガ・ウェスト)でもデビューを果たし、ヘディングでリーグ戦初得点を記録。4日にはドルトムントU-19戦でアシストをマークしている。
178cmという身体はドイツでは決して大きくないが、どこからでもゴールを奪えるシュートセンスを持つ。マークを外す巧みな動き出しや裏に抜けるランニングなどの質も高い。まずはU-19チームで結果を残せば、セカンドチーム(4部相当)、トップチーム昇格への道も見えてくるだろう。
DF:チェイス・アンリ 187cm

生年月日:2004年3月24日(18歳)
所属クラブ:シュツットガルトU-21
経歴:FC湘南ジュニアユース→尚志高
アメリカ合衆国出身の父と日本人の母を持つチェイス・アンリは188cmという恵まれた体格を持つセンターバックだ。日本に帰国した中学1年生のときにサッカーを本格的に始め、メキメキと頭角を現していった。尚志高校では1年次から全国高校サッカー選手権に出場し、年代別の日本代表にも選ばれるようになった。
粗削りな部分もあるが、フィード能力や対人守備といったスキルは急こう配な成長曲線を描く。昨年は飛び級でパリ五輪世代のU-21日本代表にも選出され、U-23ドバイカップやU-23アジアカップも経験。昨年の国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が選出した2022年のU-20アジアベストイレブンに選出されている。
昨年3月の高校卒業とともに日本を離れ、シュツットガルトU-21に加入。今季は怪我もあったが、ワールドカップによる中断期間にはトップチームのトレーニングキャンプにも参加していた。AFC U-20アジアカップに臨むU-20日本代表からは外れたが、FIFA U-20ワールドカップ出場への期待は大きい。
MF:小橋エンスリン海 182cm
生年月日:2005年10月22日(17歳)
所属クラブ:チャールトン・アスレチック
ジョー・ゴメスやエズリ・コンサを輩出したチャールトン・アスレチックのアカデミーに、日本にルーツを持つ選手がいる。17歳の小橋エンスリン海はロンドンで育成に定評があるチャールトンのU-18チームに在籍している。
左サイドバックやウイングなどでプレーできるレフティーで、182cmと上背もある。サイドを上下動する豊富な運動量を武器としており、正確な左足のキックでチャンスを演出する。今季からは本格的にU-18チームでプレーしており、昨年10月のスウォンジー戦ではハットトリックを達成している。
代表チームに関しては日本やイングランドなど様々な選択肢を持っているが、現時点で年代別の日本代表に選出されたことはない。2005年生まれということもあり、2028年のロサンゼルス五輪に出場できる年代で、日本代表のユニフォームに袖を通す日は遠くないかもしれない。
MF:福井太智 172cm
生年月日:2004年7月15日(18歳)
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘンⅡ
経歴:久里浜FC→サガン鳥栖
Jリーグでほとんど実績のない若手が海を渡るケースは珍しくないが、世界的な強豪バイエルン・ミュンヘンに加入できるチャンスはそうそうない。現地報道によると、福井大智は昨年8月にバイエルン・ミュンヘンⅡ(セカンドチーム)のトライアルに参加し、同年9月には今年1月から完全移籍で加入することが発表されていた。年代別代表の常連で、育成で結果を残し続けるサガン鳥栖のアカデミーで約10年間を過ごした。2021シーズンには2種登録選手として公式戦11試合に出場。昨年はトップチームに参加する傍ら、高円宮杯U-18プレミアリーグ優勝に鳥栖U-18を導いた。推進力のあるドリブル、判断力の高さを感じさせるラストパスなど、攻撃面に特長を持つMFで、ボランチなど守備的なタスクもこなせるオールラウンダーだ。新天地では2試合連続でゴールに絡み、そのポテンシャルの高さをアピールしている。
FW:二田理央 174cm
生年月日:2003年4月10日(19歳)
所属クラブ:ザンクト・ペルテン
経歴:佐伯リベロFC→FC佐伯S-playMINAMI→サガン鳥栖→ヴァッカー・インスブルック
サガン鳥栖が輩出した若きストライカーは、オーストリアで一歩ずつ実績を積み上げている。2021年6月にトップチームデビューを果たし、その約1か月後に期限付き移籍が発表された。二田理央が加入したのはオーストリア2部のヴァッカー・インスブルックで、二田は3部に所属するU-23チームでプレーすることとなった。
最初のシーズンは3部リーグで16戦17発と結果を残し、後半戦はトップチームでリーグ戦5試合に出場して2部リーグ初得点も記録した。今季は2部のザンクト・ペルテンへ期限付き移籍したが、トップチームでは4試合の出場に留まり、ゴールはない。
昨年はU-19日本代表にも選出されたが、3月のAFC U-20アジアカップのメンバーからは外れた。圧倒的なスピードと精度の高いシュートが武器のストライカーは、U-20日本代表やパリ五輪世代のエース候補でもあるだけに、その期待は大きい。





